ほーりーが行く!暖簾越し お江戸の風景

ほーりーが行く!暖簾越し お江戸の風景

歴史に詳しいお江戸ルとして活躍中のほーりーこと、堀口茉純さんが、江戸から続く風月堂の時代にタイムスリップ。当時世の中ではどのようなことが起きていたのでしょうか?

寅年にちなんで虎のお話

寅年にちなんで虎のお話

 2022年は寅年。寅年生まれの人はチャレンジ精神旺盛なロマンチストが多いそう。江戸幕府をひらいた徳川家康や、幕末に活躍した吉田松陰が寅年生まれと聞くとなんだか納得ですよね。
 日本では江戸時代まで子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二支で暦や時間や方位を現していたので、十二支に含まれる動物はとても身近な存在でした。
 特に寅年の虎は、一日に千里を走るという行動力と強靭な生命力があることから、あらゆる災厄を払い家を繁栄させる縁起のいい存在と考えられてきたのです。
 このため絵画の世界では、虎は古くから重要なモチーフのひとつでした。
 ただ、虎は日本に生息していないので、絵師たちは実物を見たことは無かったんです。このため、中国からもたらされた絵画や毛皮などを参考に想像交じりに描かれました。
 江戸時代に全国各地の子供たちに人気だったおもちゃ・張り子の虎もまさに想像上の虎。「大きめの猫かな?」と思えるような見た目の、ゆる~い雰囲気が魅力です。
 張り子の虎は、寅年生まれの子供の干支お守りとしてはもちろん、子供の健やかな成長を願う縁起物として広く普及しました。
 幕末に海外からもたらされた感染症のコレラが流行った時も、子供たちにお守りとして張り子の虎が配られたという記録があります。
 強靭な生命力を持つ虎に、得体のしれない病気から子供たちを守ってほしいという願いが込められていたんでしょうね。
 実物の虎を人々が見られるようになったのは明治時代のこと。上野動物園で虎が飼育されるようになってからです。
 上野動物園には現在も4頭のスマトラトラがいます。せっかくの寅年、トラに会いに行ってみるのも楽しいと思いますよ。
 帰りは是非、上野風月堂にお立ちよりくださいね!

本文、イラスト: 堀口茉純

東京都足立区生まれ。幼少期より時代劇に親しむ。小学4年生の時、司馬遼太郎の本に出会い、沖田総司に初恋。中・高生の頃の成績は歴史のみ5。明治大学在学中に文学座付属演劇研究所で演技の勉強を始め、卒業後、女優として舞台やテレビドラマに多数出演。
一方2008年に江戸文化歴史検定一級を最年少で取得すると、「江戸に詳しすぎるタレント=お江戸ル(お江戸のアイドル)」として注目を集め、執筆、イベント、公演活動にも精力的に取り組む。また、facebook内最大のお江戸コミュニティ『お江戸、いいね!』でナビゲ―ターを務め、江戸⇔東京の魅力を発信し続けている。

【著 書】
『TOKUGAWA15~徳川将軍15人の歴史がDEEPにわかる本~』(草思社)
『UKIYOE17~江戸っ子を熱狂させたスター絵師たち~』(中経出版)
『EDO100;フカヨミ!広重『名所江戸百景』(小学館)
『SHINSENGUMI GRAFFITI 1834-1686~幕末を駆け抜けた近藤勇と仲間たち~』
『江戸はスゴイ~世界一幸せな人びとの浮世ぐらし~』PHP新書
『吉原はスゴイ~江戸文化を育んだ魅惑の遊郭』(PHP新書)

【レギュラー】
NHKラジオ第一『DJ日本史』MC
TOKYO MX 『お江戸に恋して』
連載・・・サライ.jp (小学館) など多数

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