ほーりーが行く!暖簾越し お江戸の風景

ほーりーが行く!暖簾越し お江戸の風景

歴史に詳しいお江戸ルとして活躍中のほーりーこと、堀口茉純さんが、江戸から続く風月堂の時代にタイムスリップ。当時世の中ではどのようなことが起きていたのでしょうか?

江戸時代の10月のイベントといえば…

江戸時代の10月のイベントといえば…

 10月のイベントとしてすっかり定着したハロウィン。上野風月堂でも可愛いハロウィンパッケージのお菓子が販売されます。
 実は、江戸時代にも10月にお菓子のイベントがありました。それが玄猪。亥の月(10月)の、最初の亥の日、亥の刻(夜10時前後)に、猪の子供に見立てたお餅=亥の子餅を食べる年中行事です。
 もともとは古代中国で無病息災のおまじないだったものが、平安時代に日本にもたらされて宮中行事として採用されました。
 やがて鎌倉時代になると、武士の間にも、猪が沢山子供を産むことにあやかった子孫繁栄を願う行事として浸透。
 江戸時代には玄猪が幕府の正式な年中行事となり、盛大に祝われるようになります。
 普段、大名が江戸城に登城するのは午前中ですが、亥の刻が夜10時前後にあたることから、この日だけは暮れ六つ、日暮れとともに一斉登城。将軍から五色の餅を下賜されます。
 江戸城の大手門と桜田門の前には、日暮れから夜中まで巨大な篝火がたかれ、イベントの名物になっていました。炎が暗闇の中で燃え盛り、御城の白壁やお堀が照らし出される様子はとても幻想的だったようですよ。
 また、猪が火伏の神である愛宕神社の使いであることから、この日に炬燵や火鉢など火を使う道具を出して使い始めれば火事にならないという俗信も生まれました。
 旧暦の10月最初の亥の日は現代だと11月中頃にあたりますから、ちょうど寒くなる季節なんですね。
 火事の多い江戸の町に暮らす庶民にとっても玄猪はとても大切な年中行事。炬燵や火鉢を出して、自宅で亥の子餅のかわりになる牡丹餅を作って食べ、火伏を願いました。
 時代によって様々な願いが込められてきた玄猪。私も今年は無病息災&疫病退散の願いを込めて、亥の子餅を食べようかな。

本文、イラスト: 堀口茉純

東京都足立区生まれ。幼少期より時代劇に親しむ。小学4年生の時、司馬遼太郎の本に出会い、沖田総司に初恋。中・高生の頃の成績は歴史のみ5。明治大学在学中に文学座付属演劇研究所で演技の勉強を始め、卒業後、女優として舞台やテレビドラマに多数出演。
一方2008年に江戸文化歴史検定一級を最年少で取得すると、「江戸に詳しすぎるタレント=お江戸ル(お江戸のアイドル)」として注目を集め、執筆、イベント、公演活動にも精力的に取り組む。また、facebook内最大のお江戸コミュニティ『お江戸、いいね!』でナビゲ―ターを務め、江戸⇔東京の魅力を発信し続けている。

【著 書】
『TOKUGAWA15~徳川将軍15人の歴史がDEEPにわかる本~』(草思社)
『UKIYOE17~江戸っ子を熱狂させたスター絵師たち~』(中経出版)
『EDO100;フカヨミ!広重『名所江戸百景』(小学館)
『SHINSENGUMI GRAFFITI 1834-1686~幕末を駆け抜けた近藤勇と仲間たち~』
『江戸はスゴイ~世界一幸せな人びとの浮世ぐらし~』PHP新書
『吉原はスゴイ~江戸文化を育んだ魅惑の遊郭』(PHP新書)

【レギュラー】
NHKラジオ第一『DJ日本史』MC
TOKYO MX 『お江戸に恋して』
連載・・・サライ.jp (小学館) など多数

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