ほーりーが行く!暖簾越し お江戸の風景

ほーりーが行く!暖簾越し お江戸の風景

歴史に詳しいお江戸ルとして活躍中のほーりーこと、堀口茉純さんが、江戸から続く風月堂の時代にタイムスリップ。当時世の中ではどのようなことが起きていたのでしょうか?

第三八回 春なのに〝秋色〟桜?

第三八回 春なのに〝秋色〟桜?

 上野風月堂の水物菓子(水羊羹やゼリー)サマーギフトのパッケージがリニューアル!見た目にも涼しく夏の贈り物にピッタリです。
 日本古来の水物菓子といえば、ところてん。
 天草などの海草を煮だし、冷やして固まらせて作る製法は、飛鳥時代、仏教伝来とともに中国から伝わりました。このころは特権階級の食べ物でしたが、長い時間をかけて製法が民間に伝わり、江戸時代に入ると庶民の夏のおやつとして親しまれるようになります。
 暑くなってくると、ところてんの行商が現れ、目の前でところてん突きで突いてお皿に盛ってくれるんです。値段は一個一文(およそ20円)なので、駄菓子感覚ですね。
 手軽な間食としての食べ方は、江戸では醤油か砂糖をかける。京坂では醤油はかけず砂糖をかけて食べる。など、地域によって違いがありました。
 また、赤、白、黄色に着色して、黄な粉と砂糖をかけて食べるというグレードアップ版も登場して人気があったんですよ。江戸人も「映え」を気にしてたのかな?(笑)
 ところてんを凍結、乾燥させた寒天が生まれたのは江戸時代初期のこと。寒い冬の日、ある京都の旅籠で料理に使った残り物のところてんを、外に捨てて放置していたことがありました。すると、ところてんは一度凍り、やがて日中の日差しで解凍されて乾燥し、白く半透明な乾物に変化。これを試しに溶かして食べたところ、ところてんより海草臭が少なくて美味いじゃないか!ということになり定番化。
 由来を聞いた高僧の隠元禅師が、冬の空を意味する寒天と名付けたといわれています。
 ちなみに、寒天を煮溶かして砂糖とこし餡を混ぜて固めてつくる水羊羹も江戸時代に誕生。ただ、練羊羹に比べて、寒天、砂糖、こし餡の量が少なく、煮詰めないので傷みやすいんですね。このため、当時はもっぱら冬のお菓子として親しまれていました。

本文、イラスト: 堀口茉純

東京都足立区生まれ。幼少期より時代劇に親しむ。小学4年生の時、司馬遼太郎の本に出会い、沖田総司に初恋。中・高生の頃の成績は歴史のみ5。明治大学在学中に文学座付属演劇研究所で演技の勉強を始め、卒業後、女優として舞台やテレビドラマに多数出演。
一方2008年に江戸文化歴史検定一級を最年少で取得すると、「江戸に詳しすぎるタレント=お江戸ル(お江戸のアイドル)」として注目を集め、執筆、イベント、公演活動にも精力的に取り組む。また、facebook内最大のお江戸コミュニティ『お江戸、いいね!』でナビゲ―ターを務め、江戸⇔東京の魅力を発信し続けている。

【著 書】
『TOKUGAWA15~徳川将軍15人の歴史がDEEPにわかる本~』(草思社)
『UKIYOE17~江戸っ子を熱狂させたスター絵師たち~』(中経出版)
『EDO100;フカヨミ!広重『名所江戸百景』(小学館)
『SHINSENGUMI GRAFFITI 1834-1686~幕末を駆け抜けた近藤勇と仲間たち~』
『江戸はスゴイ~世界一幸せな人びとの浮世ぐらし~』PHP新書
『吉原はスゴイ~江戸文化を育んだ魅惑の遊郭』(PHP新書)

【レギュラー】
NHKラジオ第一『DJ日本史』MC
TOKYO MX 『お江戸に恋して』
連載・・・サライ.jp (小学館) など多数

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